MVNOの現状
現在、販売されているMVNOのSIMカードについては、そのほとんどがdocomoの3G/LTE回線を利用したものとなっています。日本で最初にMVNO事業を開始したのは日本通信株式会社で、当初はウィルコムのPHS回線の再販を行っていました。最近はb-mobileというブランド名でdocomoの回線を借りてSIMカードの提供を行っています。その後、
- OCN
- ビッグローブ
などのインターネットプロバイダーもMVNOを開始し、月額1000円程度から利用できるデータ通サービスを行っています。
音声通話対応サービスで多様なニーズに対応
一般的に格安SIMカードはデータ通信に特化したサービス展開で音声通話できないものが多くそういったSIMで利用しているスマートフォンで通話を行う場合は
- IP電話サービスを利用する
- 別に音声契約のあるSIMカードに挿し替え
利用しなければいけません。ですが、日本通信やIIJなどは音声通話できるSIMカードを販売しています。通話には090や080から始まる電話番号で行いますので、他社から番号をそのままの乗り換えるMNP(ナンバーポータビリティー)に対応しているのも特徴です。IP電話と異なり、通常の音声回線ですから通話品質が安定していることも魅力となっています。例えば、日本通信が提供している「スマホ電話SIM」というサービスであれば、
月額1560円(税別)の基本料と1560円の高速データオプション料で高品質の音声通話と月間3GBまでの高速(LTE)データ通信が出来ます。
大手量販店によるSIMフリー端末とのセット販売
今年4月(平成26年)より大手スーパーのイオンが日本通信と協力してGoogleのスマートフォン「Nexus 4」と音声通話が利用できるSIMのセット販売を開始しました。
他にも、同じく今年4月より家電量販店大手のビックカメラもgoogleの
- タブレット「Nexus 7」
- ASUSのスマートフォン「Fonepad Note6」
と同社のMVNOブランド「BIC SIM」のSIMカードのセット販売を開始しています。
今後は、このようなSIMカードとSIMフリーの携帯をセット販売する形式により、大手通信事業社と契約しないで電話番号を持つというケースも増えてくるかもしれません。
docomo以外のキャリアによるMVNO
docomo以外の回線を使ったMVNOとしては、
- イー・モバイル
- WiMAXを展開するUQコミュニケーションズ
が展開をしています。どちらもモバイルルーターとセットにしたサービスでSIMカード単体では提供していません。また、KDDI(au)とSoftBankも現時点ではSIMカード単体でのMVNOは行っていません。
まとめ
ただ、先日の日経新聞(http://www.nikkei.com/article/DGXNZO70782370U4A500C1TJC000/?dg=1)の報道によると、近く両社がMVNOに参入するという情報もあり、国内大手3社がMVNOに参入することで更なるサービスや価格の競争が起きることが期待できます。